軒先に広がる雨どいは、日ごろはほとんど意識することはありません。ところが、雨どいは建物を守る重要な役割を担っています。雨どいが老朽化したり、何かのトラブルできちんと機能しなくなったりしたときは、雨漏りの原因になるだけでなく、周辺のお宅に迷惑をかけることもあります。雨どいの交換時期の兆候や、耐用年数など、雨どいを交換するタイミングについて、雨どいの重要性とあわせて解説しましょう。
1.雨どいの役割
雨どいは地味な存在といわれていますが、実際に果たしている役割は大変重要で、建物に大きなメリットを与えています。雨どいの最大の役割は、「(雨)水が建物に浸入し、建物が腐食することを回避する」ことです。
1-1.雨どいがなければ建物の腐食が早まる
雨どいがなければ、雨水が軒先や軒裏や外壁にまわって、建物の基礎回りや外壁が水分を含み、建物の腐食を進行させます。ジメジメした室内になり不快に感じるのです。また、屋根から雨水が軒下の地面にダイレクトに流れ落ち、地面が掘り下げられ、外壁や庭の植物を傷めることもあります。
1-2.雨どいを構成するパーツ
雨どいは屋根から落ちてきた雨水を受け止める「軒樋(のきとい)」、それぞれの方向から流れてきた水を受け止める「集水器(しゅうすいき)」、軒樋を流れて集まった雨水を排水溝まで運ぶ丸い筒状の「竪樋(たてとい)」から構成されています。また、雨どいと雨どいを繋ぐ「継ぎ手(つぎて)」などのパーツも必要です。さらに、雨どいには流れる場所が半円形になっている丸どいと、雨水が流れる場所が四角形になっている、角どいがあります。角どいのほうが丸どいよりも多くの雨水を受け止め可能です。
2.雨どいの標準的な交換時期
2-1.雨どいの交換時期は20年が目安
雨どいは建物の立地状況や屋根の形状・雨樋の設置状況・気候などの影響を大きく受け、雨どいごとに異なりますが、一般的には20年が交換時期の目安になります。日差しが強い場所では太陽光の紫外線による劣化が、寒暖差が激しい場所では雨どいの伸縮があります。また、豪雪地帯では雪の重みなどの圧力が影響するため、20年よりも早く劣化が進行することもあるため、注意が必要です。2-2.雨どいの素材による交換時期の目安
現在、雨どいで多く使われている塩化ビニールの耐用年数は約20年です。それでも、10年を過ぎると劣化が始まり、割れたり変形したりすることがあります。20年は雨どいの交換時期の目安とされる期間と同じです。雨どいには金属も使われ、さびにくいガルバリウム鋼板の耐用年数は約20~30年、銅は約30年、ステンレスは30年以上です。
3.雨どいのトラブルによる交換と注意点
雨どいは耐用年数による経年劣化以外にも、雨どいが傷み水漏れ事故を起こし、雨どいとして完全に機能しない場合も交換が必要です。雨どいの交換が必要となるトラブルと、雨どいの交換に関係する注意ポイントを紹介します。
3-1.割れてしまっている場合
雨どいが割れてしまうと、雨水が流れ落ちてしまうため、本来は雨水がかからない場所に雨がかかり、家の傷みの進行が早まります。
3-2.横どいが広がった場合
屋根に降った雨水を受ける軒どいは、雪が降りそのまま雪が溜まると、雪の重みで変形して広がることがあります。雪以外にも、太陽光の紫外線で劣化し、夏の猛暑や冬のマイナスの冷気などが影響してタワミ、変形して広がってしまうこともあるのです。こうなると、大量に降った雨が雨どいからあふれやすくなります。
3-3.雨どいの詰まり
雨どいは時間の経過とともに、雨樋の中に泥やホコリなどが溜まることがあります。また、雨どいの内部にはカビやコケなどが発生し、排水の邪魔をすることもあるのです。さらに、家の近所に大きな木があれば、落ち葉や小枝が雨どいに入り込むことや、風で飛ばされてきたビニール袋などが詰まることもあります。詰まりは雨どいを掃除すれば解決しますが、まれに、つまりが原因して雨どいの歪みがひどくなり、交換が必要になってくることもあります。雨どいの詰まりは注意しましょう。
3-4.ご近所トラブルも
雨どいが広がり、雨水が雨どいからあふれると、自分の家だけでなく隣の家にかかってしまうことがあります。とくに、軒が連なる住宅街で起こるトラブルです。大きなトラブルに発展する前に、雨どいの修理や交換を行いましょう。
3-5.DIYによる雨どいの交換はおすすめしません!
日本各地にあるホームセンターには、雨どいの部品が並んでいます。雨どいはDIYで交換できそうに思えますが、DIYによる交換はおすすめできません。そもそも雨どいは屋根よりも外側にあります。また、劣化しやすい2階の雨どいは、命の危険もある危険な高所作業です。さらに、雨どいを支える支持金具は建物に取りつけるため、付け方を誤ると雨どいが傾いたり、建物に余分な負荷をかけたりすることもあります。雨どいの不調を感じたら、まず、雨どいの修理専門家に相談することが最善の選択といえます。
4.まとめ
雨どいは屋根に降った雨水や雪水を、スムーズに流す役割を持ちます。しかし、雨どいの不具合は気が付かないうちに進行し、最終的には建物を痛めてしまうケースもあります。トラブルに注意しながら、適切な交換を行うようにしましょう。 「E-style」は首都圏エリアで、ビル・マンションから一般住宅まで、外壁塗装・屋根塗装・防水工事などを承っています。日々、塗装や防水工事に関する知識・技術を高め、お客様の多種多様なニーズに応じた塗装を行い、建物の資産価値を高める作業を徹底しております。塗装や防水に関する事ならどのような事でもお気軽にご相談ください。