マイホームを長く大切に維持していくためには、外壁も屋根も定期的に塗装して、メンテナンスすることが必要です。せっかくなので外壁と屋根の塗装を同時にすれば、と考える方もいるかもしれません。両方を受け付ける業者もありますが、中には外壁の塗装は受けても屋根の塗装は受けない場合もあります。そのような、外壁塗装と屋根塗装について、それぞれの特徴や同時に塗装するときのメリットなど、詳しく解説します。
1.外壁塗装と屋根塗装は同じではない
そもそも屋根と外壁では受けるダメージが違っていて、また使用される材料や形状も異なり、耐候性も違います。屋根は1年365日24時間、雨や風にさらされ、日中は太陽光の紫外線が降り注いでいます。そのため、屋根に塗っている塗膜の劣化は、外壁よりも進行が早くなるのです。同時に最大限、太陽熱を跳ね除ける遮熱性も必要になります。
1-1.両方塗る場合は屋根が先
屋根と外壁を同時に塗装する場合の順番は、屋根、軒天(のきてん)、外壁の順になります。上から塗装することで、誤って汚れが下に落ちても、後作業で修正が利きます。
2.屋根塗装の特徴
家の屋根は、10年を目安に屋根専用の塗料で塗り替え、保護する塗装工事が必要です。屋根の塗装を怠ると外観が悪くなるだけでなく、屋根が傷み、雨漏りが発生し、家屋が劣化することもあります。まず、屋根の塗装に付いて解説します。
2-1.屋根塗装が必要な理由
屋根は家の中で暮らす人間を外部から守っています。屋根は風雨や夜露、冬になれば霜や積雪、また落ち葉や突風による飛来物がぶつかることもあります。夏場は高温になり炎天下の屋根表面の温度は、80度を超えることもあるでしょう。冬の夜は気温がマイナスになることもある上、さらに太陽光に晒され、紫外線を浴び続けているのです。このように、屋根は外壁よりも太陽や雨の影響を受けやすく、それだけ外部環境に対し強固な塗装が必要となります。屋根塗装は熱にも紫外線にも強く、防水効果が高く、しかも、耐久性も求められます。
2-2.屋根の種類
屋根を大別すると、粘土瓦・化粧スレート・金属の3タイプになります。昔から日本の屋根に使われていた粘土瓦は、塗装はいりません。瓦には粘土瓦の他に、セメント瓦とモニエル瓦があります。両方ともにセメント製の瓦で表面が加工され、塗装が必要です。化粧スレートは、コロニアルやカラーベストとも呼ばれ、薄いセメントでできている板状の屋根材です。 金属屋根は薄くて軽く、施工しやすい特徴があり、おしゃれな印象が演出できます。主流はトタン屋根ですが、最近は錆びに強いガルバリウム鋼板が人気です。オシャレなデザインのものが多く、「屋根カバー工法」にも使われる屋根材です。
2-3.塗装が必要な屋根・不要な屋根
塗装が必要な屋根材は、セメント瓦・モニエル瓦・化粧スレート屋根・金属屋根です。塗装が不要な屋根材は和瓦の粘土瓦だけです。このようにほとんどの屋根は塗装工事が必要になります。
3.外壁塗装のメリット
外壁塗装も、屋根の塗装と同じようにさまざまな効果があります。また、塗料の種類が多く、自分好みの外壁にすることも可能です。以下で、外壁塗装の特徴と効果を紹介します。
3-1.美観保持・防汚効果
外壁を塗り替えることで新築時のような美しい外観が甦ります。外壁をそれまでの色と変えると、今までとまったく異なった雰囲気の建物になります。また、塗料の多くは防汚性を向上させる機能があり、外壁を塗装することで汚れにくくなり、美しい壁面が長く保持できるのです。
3-2.建物の耐久性向上
塗装した塗料は外壁を保護し、外壁の耐久性を向上させます。外壁の耐久性が向上することで建物自体の寿命も延びることになります。
3-3.防カビ・防藻・防水効果
外壁はひび割れなどで劣化することがあり、放置するとそこから建物内部に雨水が浸入し、建物がダメージを受けることがあります。外壁塗装でひび割れや雨漏りなどの劣化症状が進行するのを、遅らせることも可能です。湿気の多い場所や、日当たりが悪い壁にはカビや藻が発生することもあり、防カビ・防藻機能のある塗料を塗ることで、カビや藻の発生を抑制できます。また錆び発生予防の塗料もあり、金属の塗装に最適です。
3-4.断熱・遮熱向上
外壁を塗装することで断熱、遮熱の効果が期待できます。外壁で遮熱すると、室内の温度上昇・温度低下を軽減させることが可能です。断熱、遮熱で冷暖房効果が高まり、電気代節約や省エネ効果も期待できます。
4.屋根塗装・外壁塗装を一緒に行うメリット
機能性や耐用年数など、細部で異なる点はありますが、外壁塗装と屋根塗装を同時に行うことのメリットがあります。そのようなメリットの紹介です。
4-1.同時塗装の値引き
一般的に外壁塗装と屋根塗装を同時に行うと、割引をしてくれる塗装業者さんが多くいます。外壁塗装と屋根塗装を個別に行うと、それぞれの塗装工事で足場を設置することになり、足場費用が2回分かかります。足場を組む費用は塗装工事の約20%を占めるといわれ、1回分の足場費用を削減できるだけで、費用を大きく削減できるのです。
4-2.塗装にかける労力と時間が削減可能
外壁塗装と屋根塗装を同時に実施すると、塗装工事にかかる労力が省け、時間の短縮化が可能です。依頼主も工事中の不自由な期間が短くなり、塗装業者も工期が短縮でき、双方ともに助かります。
4-3.屋根も外壁も好きな色が選べる
屋根と外壁を一緒に塗装する場合、両方を連携させ、色や模様まで自由に選べます。それだけで塗装の選択範囲は広がり、思い切ってイエローやピンクなどの明るい色や、ストライプやドットなども採用可能です。
5.まとめ
厳密にいえば、外壁塗装と屋根塗装は塗装方法や使用する塗料が異なる面はありますが、紹介した通り同時に行うメリットはあります。建物の保護や時間効率、周囲への気遣いなどまで勘案すれば、できる限り同時に塗装することがおすすめです。 「E-style」は主に首都圏で、ビル・マンションから一般住宅まで、さまざまな建物の外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事などを承っております。塗装や防水工事に関する実績・知識・技術を日々高め、お客様の多種多様なニーズにお応えしています。お気軽にご相談ください。